主要人物
（僕）月見柳人/Tsukimi Ryuto
歪んだ夢のツアー100億人目に選ばれた主人公。
シカトや盗難等の"いじめ"を経験しており、年を追うごとに自分の殻に閉じこもってしまったネガティブ男子。
人間不信であり、正常な判断が難しく勉強も頭に入って来ず不登校になってしまった。
有能であるにも関わらず馴れ合いを嫌い引きこもってしまった兄にコンプレックスを抱いており、キーホルダーを手作りする、絵を描くといった趣味があったが、自分より周囲に褒められ支持されている兄と比較され自信を喪失している。
残った唯一の趣味はラジオやCDで音楽（ロック）を聴くことなのだが、それもどうでもよくなりつつある。
作中では悪夢と現実を行き来していく内に、今までの閉じこもっていた自分や周囲に疑問を感じはじめ、少しずつ自分を見直していく。
超能力の素質を持つが、分岐によっては全く芽が出ず普通の人生を歩む。
しかし、物語当初からすでに「夢を現実にする」という能力を無意識に発揮しているせいで様々な問題（＝亡霊の怨念による当時のいじめ加害者の自殺行為や学校の亡霊の実体化）を引き起こしており、亡霊、語りかける者、ナイトメアといった人ならざる者から注目を集めている……
（兄）月見桂人/Tsukimi Keito
幼い頃から小説、漫画、絵画と芸術の才能が認められ、作品が賞をとり「天才」と取り上げられ周囲から賞賛されてきた主人公の兄。
しかし将来は芸術家になるのではという期待と下心が見えてしまい、物心ついた時から人と接するのを嫌って引きこもっている。人ごみにいると気分が悪くなるため、学校では教室ではなく保健室へ登校していた。
人の心がわかる、遠くで起こった出来事がわかるといった透視能力を持ち、弟の様子に異常を感じて悪夢から助けようとしていた。
「全てが表裏一体」というのが口癖で、透視能力によって世界を見ていた。
ナイトメアから弟を救うために様々な情報を探していたが、度が過ぎたためにペナルティを受け原因不明の病で分岐によっては昏睡状態になる。
「時間がない……」は自分の病と弟の悪夢を指す。一見、かなりの中二病（笑）
引きこもりがちだが勉強もできて博識、几帳面、何でもそつなくこなすが何気に弟よりも身長が低いのがコンプレックス。
自分のせいで弟が閉じこもってしまったという責任感も感じている。
実は結構な兄ばかなのだが表にはあまり出ていない。
他の関連作品や小説の作中で語りかける者やナイトメア側の魂を持つことが明かされる。
（幼馴染み）神宮椿/Shingu Tsubaki
"僕"の家の隣近所に住む幼馴染みの女子。
小さい頃から男勝りな性格で、柳人と桂人とは男女の仲を超えて仲良くしており柳人とは洋ロックや邦ロックといった音楽の趣味が合うためCDを貸し借りしていた。
小学高学年から男子と仲良くしているのを恥ずかしく思ってか、徐々に月見兄弟と距離を置きはじめ、中学に入ってからは僕が以前より自分の殻に閉じこもってしまったのをきっかけに冷たい態度をとるようになった。
同じクラスの雛田百合が柳人に気があるのを知っており、また自分も柳人に好意を寄せていることにも気付いているが素直になれない性格で逆に冷たくしてしまうという流れであった。
（しかし他の作品や状況によっては兄の桂人に気があるような描写があるため、柳人に抱いている感情は恋愛ではない？）
将来、教師になるのを目標としており、そのために柳人とは違う高校へ進学する。
教師になる決意をしたのは柳人のような子供を助けたいからという理由である。
エンディング1で柳人が桂人に渡した御守りは彼女が持って行ってと渡したもの。
（あの子）雛田百合/Hinata Yuri
"僕"と同じクラスの女子で"僕"の幼馴染み・神宮椿と仲が良い。図書委員。
口下手でドジ、何かと誤解を招く言動で柳人を傷つけてしまったが柳人に気がある。
過去に柳人の優しい一面を目撃してから一目惚れしたらしいが、恥ずかしさと引っ込み思案な性格上から距離を取ってしまい、柳人に対するいじめを目撃しても庇えずにいたが、勇気を出して話しかけてみようと試みる。
実家は道北にある老舗旅館を営んでおり、跡継ぎとして放課後は母と料理教室や茶道教室へ通う。……ただし、料理は得意ではないらしい。
（彼）天道桐弥/Tendo Kiriya
"僕"の同級生の一人。
外見上、二重瞼で優しそうな外見をしており、柳人は彼のような二重にやや憧れを抱いている描写がある。
学年で成績も優秀なため一見優等生なのだが、親友の篠原蔓からグラビア雑誌を借りたりと意外な一面があり、中でも鈴野みゃ子というグラドルがタイプらしくイチオシしてくる。犬より猫派。
いじめにあっていた柳人の事を気にかけてはいたものの、他の生徒と同じく臆病になって何もできずに後ろめたさから柳人を避けていた。
抜き打ち検査で蔓に借りたグラビア雑誌がバレそうになり、柳人がとっさに具合悪いフリをして救われたことを切っ掛けに縁ができる。
文学が好きで小説を読んだり執筆する趣味がある。好きな作家は芥川龍之介。
視力はやや悪いらしく、よく目を細めるクセがある。
（あいつ）篠原蔓/Shinohara Kazura
"僕"の同級生の一人。
同じクラスの天道桐弥とは大親友で、よく二人で一緒に話をしている姿を見る。
度々高校生の兄からグラドルの雑誌を借りては桐弥と共有して読んでいる。
以前にグラビア雑誌を持ち込んだことが女子にバレ、持ち物検査で彼らを庇わなかったルートではある女子生徒に「またあいつらだよ」と言われている有様。
サッカー部員だが芸術方面に興味があり、柳人とも絵画を一緒に描いたりアドバイスをもらったりすることもあった。
誰にでも平等に接するが、その場の雰囲気に呑まれて他の人達と同様に柳人から顔を背けてしまった。
いじめから助けなかったことに怒って（呆れて）いないだろうかと柳人に対して恐怖心を抱いているが、柳人から接すれば通常通り返事を返してくれる。
基本はいいヤツ。
（首吊り少年）霧島太陽/Kirishima Taiyo
4年前に教室で亡くなった男子生徒。
元野球部所属。全くいじめとは縁遠い頼りにされるリーダー気質で人気者だったが、いじめられている同級生を庇ってからターゲットにされるようになってしまった。
今まで自分を頼ってくれていた他の同級生や教師もシカトやいじめに参加するようになり、人間不信に陥り登校拒否に。
開かずのロッカーに3日閉じ込められた事件で深く傷つき、学校に棲む霊の主の影響を受けて同級生や教師を呪いながら縄に首を通した。
前日が休校の日曜日であるということと、死亡推定時刻が学校の鍵を開ける前であったため校長は不審死を主張するが、遺書もあり自死として処分された。
以降教室の窓にてるてる坊主が下がっており、撤去してもまた現れると生徒に不気味がられていた。
（生前は成績優秀だったため、逆に「近くの席になると頭が良くなる」という噂もあった）
柳人（"僕"）の夢の影響でより強い呪いの力を得て復讐として当時の同級生や教師を自殺にまで追い込んだ。
（飛び降り少女）羽生翔子/Habu Shoko
8年前に屋上から飛び降り亡くなった女子生徒。
体型が同年代と比べてグラマーで大人っぽい上に生徒会長を務め真面目な性格で密かな人気を集めていた。
生徒会長を務めたものの、内向的であまり自分に自信がなく体型に関してもコンプレックスだった。
ある時、同じ生徒会の男子と話す機会が多くなり彼の彼女から「恋人を盗った」という噂が流れネット上から学校中に悪評が広まり誹謗中傷が絶えなくなって閉じこもった。
学校側に訴えても生徒への注意のみで収まらず「今から勇気出して飛びます。みんな見ていてください」という書き込みを残して全校集会の朝、屋上から飛び降りた。
以降、厳重に屋上の扉に複雑に3つ鍵が掛けられるようになったが、扉が開いている事がある。
霊としての力が強く、暗示をかけたり金縛りにさせる事ができるのだが今までに屋上に誘い出された人物は誰一人亡くなっていない。
しかし校舎の屋上の怪異を聞いた、当時ネットの誹謗中傷に乗った人間が飛び降り自殺を図るという異常な現象が起きていた。
通常、霊は他の霊の存在を目視できたりできなかったりするようだが、彼女は目視できるようで、同校の亡霊・太陽の存在を認識している節がある（「あの人の命日だったの」という発言がある）。
実家は生花店を営んでおり、植物が好き。
「苦難を乗り越える」「明るい未来」という花言葉のムスカリの花が好きだった。
シリーズ"Hollow"の主人公・朔太郎とは従姉で虐待を受けていた朔太郎を保護し本当の弟のように接していた。
ナイトメア/Nightmare
"僕"を歪んだ夢のツアーに100億人目の客として迎え入れた、謎の仮面。
100億という数字は人間が存在する時代からの統計であり、そこから彼らが古くから存在することが窺える。
通常3日のツアーらしいが記念と称して7日間と延長している（ゲーム制作当初が3日の予定だったというのもある）
見た目は1メートル弱の小人でシルクハットにタキシードを纏い、足は一本でぴょんぴょんと跳ねるところから柳人には「やじろべえ」と喩えられる。
夢の中にしか存在できず、その姿は見た人によって異なる（ユガミユメ2では人型として現れる）
丁寧な言葉を遣い、優しい言葉を口にするが時折どこか怪しい言動を含ませる。「んふふふふ…」が口癖。
本当の名は"マスティマ"というが、悪夢に誘う事から人間に"ナイトメア"と呼ばれるようになったという背景がある。
本人曰く人ならざる何者か「あの方」の意志によって行動しているというが、同じ「あの方」の意志を汲むはずの語りかける者・ウリアとは対立しているらしい。
また、悪意で「歪んだ夢のツアー」をやっているわけではなく、悪夢に陥りやすい能力者たちを救いたい気持ちで悪夢の原因を見つめなおす機会を与えている。
分岐によっては簡単に柳人を現実に帰し、また自分の殻に閉じこもらないようにと忠告する場面もある。
しかし、魂を食べることで存在を維持することも事実であり、救出に失敗した魂は彼の餌となり、魂の"人間"の部分を食べられると"虚ろな人形"となって操られてしまう。
多くは人間を淘汰するための殺人や事故を起こすが、彼にとっては「あの方」の意志を遂行するための必要悪である。
ライムという悪魔を従えており、夢から出られない自身に代わって現実を見張らせている。
語りかける者/Tulpa
金の瞳と紫の瞳を持つテレパシーで"僕"に語りかけてくる謎の人物。
ある結末では実在し、見た目は20代後半～のイタリア系青年ということが判明する。
以前から僕の助けを求める声を聞きテレパシーを送っていたが、柳人の超能力の開花が遅れたため波長が繋がらなかった。
ナイトメア（マスティマ）から柳人のような状況に陥る人々を助けるのを生業としており、イングランドにある対ナイトメアの研究機関に所属している外人。
柳人の能力を認め、対ナイトメア機関に誘う。
最後のナイトメアとのやりとりで「ウリア」という名前と判明。
オーラのみの場合は翼のようなものが見え、彼もまた人間ではない様子が窺える。
小説ではイタリア系の青年、シルヴィオに憑依した存在ということになっており、マスティマと同じ「あの方」の意志で動いているが、正反対の考えで行動しているため反発しあっている。
その他
（父）月見道久/Tsukimi Michihisa
月見兄弟の父。生真面目で寡黙な仕事人間。
自身が過去に親から家庭内暴力、ネグレクトを受けており、思春期の子供にどう接したらいいか戸惑い傷つけてしまう。
図書室の夢にある日記は父の事を書いており、
柳人と同じように語りかける者の存在と通じていたがある日を堺に途切れ、ナイトメアの悪夢に苛まれていた時期があったというのがわかる。
霊視能力があるが「普通」であることを心掛けており、周囲に気付かれることなく暮らす。
（母）月見想子/Tsukimi Sohko
月見兄弟の母。夫・道久とは恋愛の末に結婚。正常であれば明るく大らかな女性である。
家事や町内会の行事、近所付き合いをテキパキこなすしっかりした専業主婦。
息子の引きこもり等で戸惑う父をよくたしなめているが、自身も不安で「学校に行きなさい」と柳人を無理矢理学校へ行かせようとしていたが、後半では父と話し合いをしたようで、僕の好きなようにさせてやろう、もっと話を聞こうと、見守る姿勢を見せ始める。
実家は神職を家業としているが、道久とは駆け落ちのような形で縁を切っている。
悪魔ライム/Raim
ナイトメアことマスティマに仕えるカラスの姿をした悪魔。
夢から出ることのできない主に代わって現実世界を監視し報告している。
柳人に対しては友好的な態度を示し、悪夢に現れては悪夢から出るためのヒントをくれる。
校舎のヌシ
校舎に潜む悪霊たちのヌシ。
口ぶりからすると女の子と思われる。
ロッカーの中がお気に入りらしく、学校中のロッカーと繋がっており、時折「ともだち」が欲しくて独りになっている生徒の前に姿を現すが、必ずと言っていいほど彼女の姿を見た生徒は近々亡くなる。
首吊り少年が閉じ込められた開かずのロッカーも彼女のテリトリーのひとつだった。
昔、主人公たちの住む町は小さな集落で彼女はそこに住んでいたが、生来の曰く付きで、親が狂い死にしたり、一緒に遊んでいた子が行方不明や病気、事故、怪我に見舞われ「呪われている」と避けられ、村に不幸を呼ぶとされて沼に沈められた経緯がある。
沼には神様がいると言われていたため、埋め立てに当時の住民は祟りを恐れて反対していたが、戦後に沼は埋め立てられ主人公たちの通う校舎が建った。
「バツ×ばつ×バツ-呪われた校舎の巻-」で陽介と司が退治したことで、柳人は一難を免れたことになっている。
地底人みぃたん
「みぃたんだぉ」が鳴き声なのか掛け声なのか合図なのかよくわからないUMA。
ちょんまげとこしみのが特徴で身長は平均50cmとコンパクト。
UFOに乗って現れるが、地底に住んでいるため宇宙人ではない。
悪い人間をぎゅいぃんがりがりして、みぃたんに改造してしまうらしい。
ハイテクノロジーを持っているが、地底では竪穴住居を作って原始的な生活をしている。
リサイクル技術にも長けており、ある材料を食糧としているらしいが企業秘密。
update 2023/09/02