あ
亜人(あじん)
主にアロコイド以外の人種を指す。
特に魔族との混血や身体的にアロコイドと異なる人種のこと。
アリュース神教(ありゅーすしんきょう)
別名「精霊神教」と言われる通り精霊神を祀る宗教であり、精霊術を生活の基盤として扱う現代においては精霊の恵みに感謝するという名目で浸透している。
各地にある神殿は抗魔結界を管理する役割を持っており、都会に造られた大神殿では神官、巫女、参拝者が祀られている精霊石に魔力を捧げることで結界が維持される仕組みを作り出している。
神殿では出生の祝福や成人の祝福、結婚式、葬儀が執り行われ、年中忙しい。
アロコイド
この世界の人種のひとつ。
人間の中で最も人口が多く、現代において「人間」という言葉はアロコイドの事を指すようになった。
他人種に比べて魔力、体力共に低いが、昔から道具を扱ったり工夫する知恵に長けているとされる。
平均寿命は80歳。
外見的な特徴として、平均的な成人の身長は150〜180cm、体重は48〜78kg。髪の色は白、金、茶、黒系、瞳の色は緑、青、茶系、肌の色は南の国では黒寄り、北の国では白寄りであるが色素で区別する名称は存在しない。
現代では他人種との混血がほとんどであるため、色素においては重要視されない。
アロンシア
この世界の人種のひとつ。絶滅した人種である。
精霊人とも呼ばれ、他の人種と比べて体内に流れる基礎魔力量が多く、精霊との意思疎通が容易いため精霊術の扱いに長けている。
唯一魔力から精霊石を作り出す能力を持ち、死後は肉体が精霊石に変わるという伝承があり、そのためアロンシア人自体が生きた精霊なのではと云われる。
平均寿命は40歳と人間としては非常に短命。
平均的な成人の身長は150〜170cm、体重は45〜68kg。
体内に維持できる魔力量が多い分、筋肉や脂肪が付きにくく、脂質の多い食事は摂れない体質。
総じて容姿端麗で髪や瞳は透き通るような輝きを持ち、色素が薄い。多くはカメオや胸像など美術品のモデルとなっている。芸術家の間では宝石人と称される。
美しい容姿と精霊石を作り出す能力を持つアロンシア人を巡って争いが起きた歴史が存在し、交流が容易ではない山脈に囲まれた砂漠の中にアリューシア帝国というアロンシア人のみの国を築いて暮らした。
か
抗魔結界(こうまけっかい)
魔物の生命となる魔力に反応し、身体能力を大幅に落とす効果のある結界。生物には無効。
精霊術を基盤としており、精霊石を媒体として展開されている。
これにより長年、魔竜軍の侵攻を防いでいた。
さ
守護精霊(しゅごせいれい)
出生と共に付く精霊のこと。
守護精霊を持つ者は「加護持ち」や「精霊の申し子」と呼ばれ、精霊が付くことで魔力が常人より多く、精霊の扱いに長ける。
守護精霊によって足が速かったり傷の治りが早いなど身体的にも加護の力が及ぶ。
加護持ちかどうかは精霊を目視できる高位神官や熟練した術師により判明する(精霊を祀るアリュース神教が主流である地域では主に出生後に神殿で祝福を受ける際に判明する)
成長後に途中から守護精霊が付く事は無いとされるが、守護精霊が精霊神であった場合は精霊神が目視できない事と、幼い頃に能力が表に出ず成長により能力が発揮される場合が多いという要因により、途中で判明するか生涯判明しないまま終える者もいる。
守護精霊がついていた者が亡くなると、魂の欠片として心臓の一部が精霊石として遺る。
人工魔術(じんこうまじゅつ)
人間が戦争時代に精霊術を応用して開発した、複合属性を利用した威力の高い術を扱える術法。
魔物の使う魔法に近い性質を持つことから人工魔術と呼ばれるようになった。
精霊術に比べて単発での威力や効果が強いものの、膨大な魔力を消費する術ばかりで人間が扱うには負担が大きい。長期戦など複数回連続しての使用には不向きであるとされ、対魔竜軍として結成された軍隊や一部の認められた傭兵以外の取得と戦闘外の使用は禁じられている。
精霊(せいれい)
自然の中に存在する、大気を司る霊魂。魔力の多い場所に集まる習性を持つ。
司るとはいえ自然そのものではないため、精霊がいない土地でも雨や風などの気象は発生する。
微量な魔力を糧として大気に存在でき、それぞれ個体ごとに火、水、風、地、雷、氷、光、闇などの自然的要素を司る。外部からの魔力の供給により存在は膨張し形を成す。魔力の持ち主と同調するのが精霊術であり、何度か同調を繰り返す事で信頼関係のようなものが築かれる。通常は魔力の質が高い術者に力を貸すが、信頼関係が成り立つとそちらが優先される。
精霊神を祀るアリュース神教では死者の魂が精霊となって生活を助けるという言い伝えがある。
精霊術(せいれいじゅつ)
魔力を対価に精霊と同調して力を操る術のこと。
対価とする魔力はあまり大きくなく、魔族が魔力の低い人間に生活を豊かにするために教えたとされる。
同属性を複数使う事は可能であるが、別属性を混合して使うと反発が起きてしまうため、大抵の術者は2〜3つの反発の少ない属性か、ひとつの属性に絞って扱う。
反発の少ない組み合わせは火・地、水・氷、風・雷。光と闇は反発してしまうが、他の属性とは反発しないので火・地・光のように3属性を扱う術者もいる。
ただし1属性の扱いだけでも難しいため、2属性までが主流となっている。
精霊神(せいれいしん)
各属性の精霊をまとめる高位精霊。アリュース神教の神殿に祀られ、それぞれの神の姿形は統一されている。実在した人物だったとも言われており、精霊神を召喚した術者は確かにその姿を見たと伝えられている。
精霊神教(せいれいしんきょう)
アリュース神教の別称。
精霊神を祀っている事から親しみを込めて呼ばれる。
→アリュース神教 参照
精霊石(せいれいせき)
精霊が宿る魔力を含んだ鉱石。見た目は宝石やその原石に近く、精霊特有の光を宿す。大きければ大きいほど魔力を蓄積する事ができ、引き出せる精霊の能力もその分引き上げられる。
採掘できる代物ではなく、精霊石は特殊な技術によって精製されるものである。現代においては既に失われた技術であるため流通は無く、既存のものを譲ってもらうしか入手方法は無い。
精霊石は持ち運べば同じ精霊から力を引き出す事が可能であるため、高位精霊術師ともなるとほとんどの人が携帯している。
結界や長期的に術を展開する際も精霊石を使うが、範囲や期間の規模継続するには精霊の力を増幅するために大きな精霊石が必要となる。
精霊の加護(せいれいのかご)
精霊から能力的な加護を受けること。
- 精霊術によって一時的に加護を受け、身体能力を向上させたり外的傷害から身を守ること。
- 生まれつき守護精霊がついている状態。
→守護精霊 参照
は
ファズガル教団(ふぁずがるきょうだん)
魔竜教とも言われる。その名の通り、魔族から英雄視される魔竜ファズガルを崇拝する者が集まりできた組織で、先祖に魔族の血を引く者や魔竜軍を支持する人間が信徒として活動する。
人間であるため抗魔結界の内部と外部を行き来できるのが強みで、各地の抗魔結界を破壊して魔竜軍の侵攻を手引きする厄介な存在として名を轟かせている。
ま
魔核(まかく)
魔物の心臓。
体中に魔力を送り出す機能を持ち、この魔力によって魔物の肉体は維持されている。そのため、生物と異なり魔力が尽きない限り魔物は生命を維持でき、寿命を持たない事が大半である。
どんな魔物であっても魔核が破壊されると生命活動が停止し肉体は滅びる。
魔核の破片は魔石と呼ばれ、魔力を引き出す道具として重宝される。
魔族(まぞく)
魔物の中でも知能があり理性的なものを区別するために魔族と呼んだ。
人間に対して友好的な魔族もおり、戦争が始まる前までは敵対する魔物・魔族や災害から人々を守り対価に糧となる血液を貰って共存していたとされる。人間に精霊術を教えた。
魔法(まほう)
主に魔物が使う、自然的な力を操る術のことを言う。
魔物の持つ魔力自体が精霊と似た性質を持ち、精霊の力を借りずに低コストで扱える。
魔物が扱える魔法は生まれついてのものが大半だが、素質があれば鍛錬により習得可能である。
精霊を通さないため火と水など相反する属性を一度に放つ事ができるのが特徴で、強力な効果を持つものが多い。
魔物(まもの)
生物とは異なり、魔力を糧として生きる存在。
生物の血肉や鉱物に含まれる魔力を主な糧とするため、人間を含め多くの生物からは捕食者として恐れられてきた。
寿命は生物より長く、魔力が尽きない限り生き続ける事が可能な個体が多く存在する。姿形は動植物と類似しており様々。
知能があり理性的な魔物は「魔族」と呼ばれる。
内臓などの身体構造が類似していれば生物と魔物の交配は可能であるが、大抵は著しく魔力を持たないものか、著しく魔力の高いものであり、魔力が著しく高い個体は肉体が魔力量に耐えきれず短命である場合が多い。
幼いうちは生物と体の造りが同じだが、成長して姿が変化しなくなると心臓が魔核に変化して身体的に歳をとらなくなる。
魔竜教(まりゅうきょう)
ファズガル教団の別称。
信者はファズガルの名を口にするのは畏れ多いとし、魔竜教を名乗る場合が多い。
→ファズガル教団 参照
魔竜軍(まりゅうぐん)
魔竜ファズガルを中心に組織された魔族の軍隊。
迫害の時代により人間に恨みを持ち、人間を根絶やしにする事を目的として侵攻しようとしている。
魔力(まりょく)
魂を肉体と結びつけるために魂魄が放出する力とされる。
常に血液と共に流れており、出血や精霊術の使用などで減っても基本的に血液が作られる限りは一定量まで回復する。
生物、魔物どちらも体内を流れる魔力がなくなれば死に至る。
流れる魔力量は成長する都度増加していくが、魔力量が肉体の許容量を超えると内臓に負担がかかり、最悪死に至る。