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仲介所を出た後、真っ直ぐ大神殿の寮へと帰る。
魔物から獲れた戦利品を全て引き取ってもらったため、幾分かは生臭さは軽くなったものの、時折鼻につく悪臭が気になって仕方なかった。
(熟練のダークハンターはこれが日常茶飯事なのか……)
まだダークハンターとして日の浅いエリオットは悪臭に慣れなければいけないのだろうか、と不安に思いながら、自分の部屋に荷物を置いて箪笥 から着替えを取り出し、浴場へ行く準備をした。
そこで、誰かがエリオットの部屋の扉を叩く。
「エリオット、戻りましたか?」
叔父サードだと分かり、エリオットは用意した着替えを椅子の上に置いてから扉を開いた。
「どうかした?」
内心、叔父に神官の仕事を投げ出してダークハンターの仕事をしていた事を追及されるのではと焦ったが、叔父の表情はどこか事務的で仕事が抜けきっていないようだった。
どうやら、神殿の用事で訪問したらしい。
「急ですみませんが、食堂へ集まってくれませんか。しばらくここへ滞在する来客があって、あなたにも顔合わせをしてほしいのです」
「来客っ?」
慌てるエリオットを見て、叔父は魔物の血液特有の臭いに気付いて「おや」と眉根を動かす。
「……なるほど。まずは身を清めてくる事が先決のようですね?」
「あ、あはは……」
笑って誤魔化そうとするエリオットに、叔父は呆れて溜息を吐く。
「それでは、私たちは先に食事を済ませていますから、その間に身を清めて来てください。装いは制服でお願いします」
なるべく早く、と言い残して、叔父は長い寮の廊下を渡り食堂へと向かった。
エリオットは叔父を怒らせまいと、椅子に置いた着替えを引っ掴み、脇に抱えて浴場へ急いだ。
エリオットは浴場で体を清め終え、青を基調とした水の精霊神官の襟付きの制服に着替え、急いで風と火の精霊術を扱う温風機で髪を乾かす。
浴場のお湯を出す仕組みや、灯り、温風機などの生活に役立つ機器はほとんどが人工魔術を応用しており、動力は使用者の魔力か機器に取り付けられた魔石によるものである。
温風機の魔石の魔力が途中で切れてしまったようで、エリオットは温風機に嵌 は め込まれていた透明度の無くなった真っ黒な魔石を取り外し、鏡の横に置かれていた魔力切れになってしまった魔石が数個入れられた籠の中に放る。
温風機をしまう棚から新しい魔石を探そうとするが、急がなければいけない事を思い出して手を止めた。
「なんでこんな時に限って」
エリオットは温風機の魔石の換えは次に使う人がやればいいか、と棚に温風機を戻し、まだ湿った半乾きの髪の毛の湿気を少しでも払えないかと片手で髪を払い、約束の食堂へ向かう事にした。
食堂の扉を開くと、寮で生活をする神官はエリオット以外集まっており、じろじろと後で来たエリオットのほうを見る。
大抵は「またエリオットか」という表情をしており、叔父サードは自分の横の空いている席を一瞥して座るようにと促す。
この場にいる神官は皆夕食を終えた後で静かにしていたが、叔父と向かい合うように座る見慣れない一人だけ、これでもかというくらい盛られた大量の麦パンを勢い良く食べていた。
よほど空腹だったのか、必死に食べる様子はリスか何かの小動物を彷彿とさせる。
魔物から獲れた戦利品を全て引き取ってもらったため、幾分かは生臭さは軽くなったものの、時折鼻につく悪臭が気になって仕方なかった。
(熟練のダークハンターはこれが日常茶飯事なのか……)
まだダークハンターとして日の浅いエリオットは悪臭に慣れなければいけないのだろうか、と不安に思いながら、自分の部屋に荷物を置いて
そこで、誰かがエリオットの部屋の扉を叩く。
「エリオット、戻りましたか?」
叔父サードだと分かり、エリオットは用意した着替えを椅子の上に置いてから扉を開いた。
「どうかした?」
内心、叔父に神官の仕事を投げ出してダークハンターの仕事をしていた事を追及されるのではと焦ったが、叔父の表情はどこか事務的で仕事が抜けきっていないようだった。
どうやら、神殿の用事で訪問したらしい。
「急ですみませんが、食堂へ集まってくれませんか。しばらくここへ滞在する来客があって、あなたにも顔合わせをしてほしいのです」
「来客っ?」
慌てるエリオットを見て、叔父は魔物の血液特有の臭いに気付いて「おや」と眉根を動かす。
「……なるほど。まずは身を清めてくる事が先決のようですね?」
「あ、あはは……」
笑って誤魔化そうとするエリオットに、叔父は呆れて溜息を吐く。
「それでは、私たちは先に食事を済ませていますから、その間に身を清めて来てください。装いは制服でお願いします」
なるべく早く、と言い残して、叔父は長い寮の廊下を渡り食堂へと向かった。
エリオットは叔父を怒らせまいと、椅子に置いた着替えを引っ掴み、脇に抱えて浴場へ急いだ。
エリオットは浴場で体を清め終え、青を基調とした水の精霊神官の襟付きの制服に着替え、急いで風と火の精霊術を扱う温風機で髪を乾かす。
浴場のお湯を出す仕組みや、灯り、温風機などの生活に役立つ機器はほとんどが人工魔術を応用しており、動力は使用者の魔力か機器に取り付けられた魔石によるものである。
温風機の魔石の魔力が途中で切れてしまったようで、エリオットは温風機に
温風機をしまう棚から新しい魔石を探そうとするが、急がなければいけない事を思い出して手を止めた。
「なんでこんな時に限って」
エリオットは温風機の魔石の換えは次に使う人がやればいいか、と棚に温風機を戻し、まだ湿った半乾きの髪の毛の湿気を少しでも払えないかと片手で髪を払い、約束の食堂へ向かう事にした。
食堂の扉を開くと、寮で生活をする神官はエリオット以外集まっており、じろじろと後で来たエリオットのほうを見る。
大抵は「またエリオットか」という表情をしており、叔父サードは自分の横の空いている席を一瞥して座るようにと促す。
この場にいる神官は皆夕食を終えた後で静かにしていたが、叔父と向かい合うように座る見慣れない一人だけ、これでもかというくらい盛られた大量の麦パンを勢い良く食べていた。
よほど空腹だったのか、必死に食べる様子はリスか何かの小動物を彷彿とさせる。
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5月16日更新予定
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エリオくんの入浴シーンはありませんのであしからず🙄(あっても誰得)
さて。
温風機=ドライヤーなわけですが、これで一般的な生活に電池のような存在として魔石が使い捨てで使われているという事が判明しました。
生活基盤はこの人工魔術を応用して作られた生活機器が活躍して、他にも洗濯機やら水道やらトイレやらと、言っちゃえば私たちの世界と大差ない暮らしをしているってことですね。
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