炎の渦が収まると、召喚された火の精霊アルガスはくるりと宙を舞って姿を消した。
「しかもこの威力、加護持ちね……?」
「そうよ。これであたしに戦えるだけの力があるって分かったでしょ?」
きらりとチェルシーの瞳の奥が光った。
その瞳の先にあるのは、期待していた水の巫女としての能力を覆 す新たな希望を宿していた。
火属性の精霊術は一般的に攻撃性に長け、戦闘においては戦力の要となる。
ダークハンターを輩出する仲介所の職員、そして新人を育成する身として、火の精霊の加護持ちであり高威力の術を難なく操る術者の出現に胸躍 らせない理由が無かった。
チェルシーは嬉しそうに、にやりと笑む。
「どうやら自信があるようだし、今度はアタシから行こうかしら? 威力の強い術が使えるのと、実際に戦えるかどうかはベツモノよ」
そう言って、チェルシーは腰ベルトの携帯鞄から腕輪を取り出し、よく見えるように左腕を掲げて手首に装着する。
「攻撃を受けても怪我はしないから、安心して頂戴」
チェルシーが装着した腕輪は護符と同様に人工魔術が施された魔道具で、装着者の放つ攻撃の威力を大幅に軽減する効果がある。
こうした試験や技術を競う目的の武術大会の場面で使用される代物だ。
「どう対処するか楽しみね。いくわよッ!」
チェルシーは拳を固め、格闘術の構えをとり、それに対し、レディは短杖を構えて頷いた。
チェルシーは姿勢を瞬時に低くして、大きな体躯 から想像もつかない早さで動き出す。
逃げる間もなくレディはチェルシーの間合いに入り、繰り出されたチェルシーの拳を短杖に纏わせた魔力の盾で受け止めるので精一杯のようだった。
「ほらほらほらぁッ!」
腕輪の効果で威力が抑えられても尚、チェルシーの拳の一撃一撃は重く、レディは詠唱する間も与えられず一方的に壁のほうへ追い詰められて行く。
レディの表情には焦りが見えた。
「守られなきゃ戦えないなんて言わないでよッ!」
チェルシーは大きく勢いをつけ、レディの側頭部目掛けて上段回し蹴りを繰り出した。
「ナメないでよね!」
レディが短杖を握り締めると、魔力の盾は彼女の周囲を包み込んで拡大し、向かって来たチェルシーを勢いのまま押し出した。
防戦一方のように見せて気付かれないように小さく詠唱を続け、反撃を狙っていたのだ。
「なるほど、不意打ちってわけね」
チェルシーは後ろに倒れ込むように押し出されたが、即座に地面に手を付いて身を宙に翻 して着地し、態勢を整える。
魔力の盾は赤い光を放ち始め、術者であるレディの周囲を燃え盛りながら回転し、触れたものを燃やそうとする。
「これなら近付けないでしょ?」
続いてレディは短杖を頭より高く掲げて火球を放ち、炎の守りで距離を保ちつつ併せて攻撃もできる事を誇示した。
「やるじゃない」
再びチェルシーは面白そうに笑い、本心からレディの技術を褒めた。
(すごいな……)
見ていたエリオットも精霊術を扱う一人として、並行して術を複数使うという技術には深く感心していた。
ひとつの術を維持しながら、もうひとつの術を放つというのは通常よりも魔力を消費する上、並みならぬ集中力が必要なのだ。
「しかもこの威力、加護持ちね……?」
「そうよ。これであたしに戦えるだけの力があるって分かったでしょ?」
きらりとチェルシーの瞳の奥が光った。
その瞳の先にあるのは、期待していた水の巫女としての能力を
火属性の精霊術は一般的に攻撃性に長け、戦闘においては戦力の要となる。
ダークハンターを輩出する仲介所の職員、そして新人を育成する身として、火の精霊の加護持ちであり高威力の術を難なく操る術者の出現に胸
チェルシーは嬉しそうに、にやりと笑む。
「どうやら自信があるようだし、今度はアタシから行こうかしら? 威力の強い術が使えるのと、実際に戦えるかどうかはベツモノよ」
そう言って、チェルシーは腰ベルトの携帯鞄から腕輪を取り出し、よく見えるように左腕を掲げて手首に装着する。
「攻撃を受けても怪我はしないから、安心して頂戴」
チェルシーが装着した腕輪は護符と同様に人工魔術が施された魔道具で、装着者の放つ攻撃の威力を大幅に軽減する効果がある。
こうした試験や技術を競う目的の武術大会の場面で使用される代物だ。
「どう対処するか楽しみね。いくわよッ!」
チェルシーは拳を固め、格闘術の構えをとり、それに対し、レディは短杖を構えて頷いた。
チェルシーは姿勢を瞬時に低くして、大きな
逃げる間もなくレディはチェルシーの間合いに入り、繰り出されたチェルシーの拳を短杖に纏わせた魔力の盾で受け止めるので精一杯のようだった。
「ほらほらほらぁッ!」
腕輪の効果で威力が抑えられても尚、チェルシーの拳の一撃一撃は重く、レディは詠唱する間も与えられず一方的に壁のほうへ追い詰められて行く。
レディの表情には焦りが見えた。
「守られなきゃ戦えないなんて言わないでよッ!」
チェルシーは大きく勢いをつけ、レディの側頭部目掛けて上段回し蹴りを繰り出した。
「ナメないでよね!」
レディが短杖を握り締めると、魔力の盾は彼女の周囲を包み込んで拡大し、向かって来たチェルシーを勢いのまま押し出した。
防戦一方のように見せて気付かれないように小さく詠唱を続け、反撃を狙っていたのだ。
「なるほど、不意打ちってわけね」
チェルシーは後ろに倒れ込むように押し出されたが、即座に地面に手を付いて身を宙に
魔力の盾は赤い光を放ち始め、術者であるレディの周囲を燃え盛りながら回転し、触れたものを燃やそうとする。
「これなら近付けないでしょ?」
続いてレディは短杖を頭より高く掲げて火球を放ち、炎の守りで距離を保ちつつ併せて攻撃もできる事を誇示した。
「やるじゃない」
再びチェルシーは面白そうに笑い、本心からレディの技術を褒めた。
(すごいな……)
見ていたエリオットも精霊術を扱う一人として、並行して術を複数使うという技術には深く感心していた。
ひとつの術を維持しながら、もうひとつの術を放つというのは通常よりも魔力を消費する上、並みならぬ集中力が必要なのだ。
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9月26日更新予定
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🐦⬛からすの後書きコーナー
あれ、もしかしてエリオットの戦闘シーンより先にヒロイン(レディちゃん)の戦闘シーン書いてない?とか気付いてしまいました。
かっこいいエリオくんのシーンも書けるように続き書いていきます…!
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