2018-12-11

とある僕の幻想*5

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目を閉じて見えるのは小さな君

君は愛らしくて 美しくて
文句ひとつ言わない

籠の中で歌声を披露して
僕たちを和ませるけど

僕たちは
君を理解しようとしなかった

君は生まれた時のことを 覚えてる?
僕と出会った時のことを 覚えてる?
僕たち以外の誰かを 知ってる?

君のために作られた 狭い籠の中
僕のために作られた 狭い部屋の中
誰かのために作られた 家の中
知らないあの子のために作られた 箱庭
忘れたあいつが作った 大きな大きな鳥籠

君はもう冷たくて
僕の指の先に 可愛い足のぬくもりだけ
置いていってしまったけれど

きっと僕も
理解してくれる相手はいないよ
きっと僕も
あいつには「文句ひとつ言わない」なんて思われてるよ

僕は君を理解していたつもりでも
それは人形遊びじみていて
ようやくわかったのは
君が足を置いて飛んでいってしまってからだった

わかっていないかもしれない
君のことは君にしかわからない

でもひとつ言えるよ
僕は君だったんだ

今なら心から言えるよ
「君が大好きでした」

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