⚠注意⚠
この回は文章中に以下の表現が含まれます苦手な方はご注意ください
含まれる表現
暴力・死を連想させる描写?[ON]にすると字下げがなくなり行間が広がります
その時、風を切る音が鳴り、光の軌跡が弧を描いた。
寸でのところで黒衣の大男の腕は斬り落とされ、ジェイは大男の手から解放されて床に投げ出された。
ヴァイスの垂直に伸ばされた右手にある光の剣が瞬く。
魔獣を一撃で屠った時と同じ、精霊術で鋭さを増した一撃だった。
大男の左腕は地面に落ちた数秒の間、一滴も血が出る事なく綺麗な断面を露わにしていた。
大男は一瞬で何があったか分からない様子で落ちた腕を見つめた。
三秒の時間差で斬り落とされた左肩から勢い良く黒紫色の血液が吹き出す。
大男はさっきまでの余裕に満ちた態度が嘘のように、視覚的な衝撃と激痛に叫び声を上げて天井を仰ぐ。
エルドはその隙を見逃さず、大男の胸部を狙って銃弾を撃ち込む。
胸部に命中した銃弾は大男の息の根を止め、大男の巨体はぐらりと床に倒れ込む。
大男が斃れるより前に、振り返ろうとするヴァイスの後ろから鋭い鉈を振りかぶる小柄な黒衣の教団員の姿があった。
さっきまでヴァイスと対峙していた二人組の内の一人だ。
ヴァイスがジェイの助けに入るために二人を術で吹き飛ばして態勢を崩し行動を封じていたが、立ち直るのにさほど時間を要さなかったようだ。
「ヴァイスっ!」
エルドは敵の動きに気付き叫ぶが、ヴァイスの動きは間に合わなかった。
「余所見をするなぁぁぁぁっ!」
甲高い声で叫ぶ小柄な教団員が振りかぶった鉈はヴァイスの左肩に命中し、深く食い込んだ。
ヴァイスは小さく悲痛な声を上げ、咄嗟 に追撃を避ける。
斬られた傷口からじわじわと真っ赤な血が染み広がっていく。
壁に打ち付けられ、動かなかった狼は新鮮な血の臭いで気が付き、態勢を整えて鉈の教団員の喉笛目掛けて飛び掛かった。
ヴァイスに一撃を見舞った油断からか、鉈の教団員の喉は狼に簡単に咬 みつかれ、ごきりと音を立てて折れ曲がる。
「こ、こいつ!」
もう一方の鎖 鎌を持った教団員は相方がやられた事に憤 り、鎖をしならせて勢い良く黒狼に鎌を飛ばした。
狼は絶命した鉈の教団員の首に噛み付いたまま、その体を利用して鎌を防いだ。鎌は死体の骨にまで食い込み、簡単に抜けなかった。
鎌が抜けないと分かると、教団員は分が悪いと諦めたのか、鎌の柄を放り投げて塔の外が望める西側の窓辺に向かって逃げた。
「観念しろ!」
エルドの拳銃が轟き、数発の銃弾が教団員の頭部と胸を貫く。
教団員の仮面が割れ、人ならざる蛇のような縦長の瞳孔が乱れた長い髪の間から覗いた。
教団員は最期に窓の外を見て、にやりとほくそ笑んだ。
「馬鹿め。私達は所詮 、駒に過ぎない」
息絶えた教団員の体が床に崩れ落ちるように倒れた後、窓の外には黒く燃え盛る西の森が映っていた。
寸でのところで黒衣の大男の腕は斬り落とされ、ジェイは大男の手から解放されて床に投げ出された。
ヴァイスの垂直に伸ばされた右手にある光の剣が瞬く。
魔獣を一撃で屠った時と同じ、精霊術で鋭さを増した一撃だった。
大男の左腕は地面に落ちた数秒の間、一滴も血が出る事なく綺麗な断面を露わにしていた。
大男は一瞬で何があったか分からない様子で落ちた腕を見つめた。
三秒の時間差で斬り落とされた左肩から勢い良く黒紫色の血液が吹き出す。
大男はさっきまでの余裕に満ちた態度が嘘のように、視覚的な衝撃と激痛に叫び声を上げて天井を仰ぐ。
エルドはその隙を見逃さず、大男の胸部を狙って銃弾を撃ち込む。
胸部に命中した銃弾は大男の息の根を止め、大男の巨体はぐらりと床に倒れ込む。
大男が斃れるより前に、振り返ろうとするヴァイスの後ろから鋭い鉈を振りかぶる小柄な黒衣の教団員の姿があった。
さっきまでヴァイスと対峙していた二人組の内の一人だ。
ヴァイスがジェイの助けに入るために二人を術で吹き飛ばして態勢を崩し行動を封じていたが、立ち直るのにさほど時間を要さなかったようだ。
「ヴァイスっ!」
エルドは敵の動きに気付き叫ぶが、ヴァイスの動きは間に合わなかった。
「余所見をするなぁぁぁぁっ!」
甲高い声で叫ぶ小柄な教団員が振りかぶった鉈はヴァイスの左肩に命中し、深く食い込んだ。
ヴァイスは小さく悲痛な声を上げ、
斬られた傷口からじわじわと真っ赤な血が染み広がっていく。
壁に打ち付けられ、動かなかった狼は新鮮な血の臭いで気が付き、態勢を整えて鉈の教団員の喉笛目掛けて飛び掛かった。
ヴァイスに一撃を見舞った油断からか、鉈の教団員の喉は狼に簡単に
「こ、こいつ!」
もう一方の
狼は絶命した鉈の教団員の首に噛み付いたまま、その体を利用して鎌を防いだ。鎌は死体の骨にまで食い込み、簡単に抜けなかった。
鎌が抜けないと分かると、教団員は分が悪いと諦めたのか、鎌の柄を放り投げて塔の外が望める西側の窓辺に向かって逃げた。
「観念しろ!」
エルドの拳銃が轟き、数発の銃弾が教団員の頭部と胸を貫く。
教団員の仮面が割れ、人ならざる蛇のような縦長の瞳孔が乱れた長い髪の間から覗いた。
教団員は最期に窓の外を見て、にやりとほくそ笑んだ。
「馬鹿め。私達は
息絶えた教団員の体が床に崩れ落ちるように倒れた後、窓の外には黒く燃え盛る西の森が映っていた。
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🐦⬛からすの後書きコーナー
多くの犠牲者を出した黒衣のファズガル教団員との決着。
戦闘シーンは頑張ってみました。
今時だと「大男」とか男女だの体格だの肌の色云々言うと差別だ!…とか言われるのかなぁと思いつつ、
小説とか文章で表す必要のあるコンテンツではただその特徴を伝えてるだけなんだからいいじゃんって私は考えてます。
配慮して遠回しに表現するのってナンセンスだし個性がないんじゃないかな。
キャラクター自身が「NO」って言わない限りは普段表現として使っていいと思うのね。
肌の色だとか瞳の色、体格、性別、全てはその人物を表すもので、差別ではなくて愛されるものだと思っています。もちろん、現実でも。
あばたもえくぼという事で!愛しましょうよ!
私はリアルでも創作でもそばかすとかホクロとか好きですよ。
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