2026-06-06

Dark Hunter / 第一幕〈10〉

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 レディは腕を組んで胸元を隠し、眉間に皺を寄せ「ほんっとに男って……」と愚痴る。

「ごめん、そんなつもりじゃなかったんだ」

「そんなつもりって、どんなつもりよ。悪いと思うなら、責任取ってあたしに協力くらいしてもいいんじゃない?」

 レディはエリオットの負い目を好機と見てか、意地の悪い笑みを浮かべて自分の要求を通そうとする。
 この調子なら、どう転んでも思い通りにいくまで引き下がりそうにないと感じたエリオットは肩を落とし、妥協してレディの要求を()む事にした。

「分かったよ。けど、俺が君の期待に応えられるとは思えない」

「なんでよっ?」
 レディは焦った表情でエリオットを見つめた。

 仲介所に巫女だからと否定された身としては、同じ神職兼ダークハンターである存在が最も都合が良かった。
 彼が協力したなら、自分が巫女である事を理由に姉の救出できない状況を回避でき、協力者を選出する時間も短縮でき、自尊心も保たれ、一石二鳥どころか三鳥なのである。
 時間が経てば経つほど姉の身に及ぶ危険性も、先を越されて何者かに救出される可能性も高まるため、レディは都合の良い流れを期待していたのだ。

「残念ながら、俺はダークハンターとしてまだ実績も実力も心(もと)ない。仲介所でもファズガル教団が関わる依頼を受ける事を良しとされていないんだ」

 エリオット自身、ファズガル教団の脅威に遭う人々を助け、復讐を果たしたい気持ちが強く悔しくはあったが、力不足である事を自覚していた。
 精霊術や銃の扱いは早くから鍛錬してきたが、エリオットが傭兵の試験を通してダークハンターの免許を得たのは今年の一月。
 仲介所は経験の浅い傭兵がファズガル教団や魔族の絡む生存率の低い依頼を受けるのを良しとしておらず、歯がゆい思いをしながら、小さな魔物の討伐依頼から堅実に実績を積み重ねる努力をしていた。

「だから、仲介所に依頼して教団の討伐に参加できる熟練のダークハンターを募ったほうがいいと思う」

 エリオットの言葉に、レディは再び眉間に皺を寄せて静かにエリオットの青い瞳を見つめた。
 エリオットはレディの責めるような眼差しに動揺し、瞳を揺らす。

「な、なんだよ……」

 自分は正論を言ったはずだ。
 エリオットはそう思った。

 ……否。そう思いたかっただけである。

 現実的な話ではあるが、口から出た言葉は本心とは違う。
 エリオットは本心を隠すように手元にあるほとんど手つかずのままの食事に視線を落とし、レディの責め立てる眼差しから逃れようとした。
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6月13日更新予定
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🐦‍⬛からすの後書きコーナー

エリオットはまだひよっこ神官、ひよっこダークハンターなので行動が制限されています。
この世界では15歳から一人前の扱いを受ける一方、18歳までは「未熟」扱いされる事が多いんです。
エリオットは17になったばかりでまだまだこれから。
でも当然、ファズガル教団への復讐は果たしたい、教団の脅威に遭っている人たちを助けたいという気持ちは前のめりにある状況。
そこにレディの存在が加わる事で起きる化学反応は…?
さてさて、どうなることでしょうか🤭

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