バツ×ばつ×バツ-呪われた校舎の巻-/作者のあとがき

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2020/10/04 シナリオ担当/KarasuYoshimura

この作品はSilverHeartsの代表作のひとつ「DistortionDreamユガミユメ」と、小説として発表した「バツ×ばつ×バツ」のコラボレーションとして制作したものとなります。
現代風の世界観と特殊な能力を使う人物が登場する共通点から、アリなのでは? と手がけてみたら案の定、しっくりきたもので、コラボというよりはしっかりとひとつの作品としてまとまってくれました。

【原作・バツ×ばつ×バツ】
原作となった「バツ×ばつ×バツ」は、小説としてサークルで発表された作品です。
呪われた校舎の巻を公開した段階では未完だった原作でしたが、現在は上中下3巻で電子書籍として完成。
ごくごく平凡で、要領はあまり良くないけど周囲とうまくやっていこうと日々を奮闘する高校生の、主人公・榊野陽介。
けれど陽介には霊視や、霊を浄化する「浄眼」の能力があって、突然の父の死を切っ掛けに榊野家の家業であった「降魔業」を受け継いで、悩みを抱えながらも自分に秘めた非凡な才能と新しい環境へ葛藤しながら、霊や妖怪が関わる事件を解決していくお話。
巻が進むつれ、父の死の真相や自分自身が何をしたいのかという問題に直面していくドラマになっています。

自分に自信が持てないけど、誰だって最初は恐る恐る踏み込んで、失敗を繰り返して強くなって行く。
言うなれば、主人公である陽介が大人になる一歩前の初々しい物語なんですが、こちらの「呪われた校舎の巻」はそれから数年後。陽介が降魔師の組織・五獣会に入り、大学生になってからのお話なんです。
宣伝になってしまいますが、原作小説を併せて読むと陽介&司のコンビや守谷みくとの関係性や成長っぷりを楽しめますので、ぜひぜひ機会があれば小説も読んでみてくださいね!
(試し読み版、公開しています!)
ゲームシステムの面では、陽介の「浄眼」能力と司の陽介をサポートする立ち位置をうまく表現できたのではと思います。
【DistortionDreamユガミユメとの関連】
「ユガミユメ」の部分は、時系列が同じであること、亡霊たちの活動が活発になった原因についてを切り込んで解説した形になっています。
首吊り少年、飛び降り少女の彼らからは柳人の能力と人格で与えられた影響について詳しく聞けるので、ユガミユメの背景が知りたい方には補足としても遊んでいただきたいです。
……が、柳人本人はゲームリンクシステムを通して少ししか登場せず、本当にオマケだなーという程度にしか実装できなくて、その点についてはごめんなさい。
(しかも長い間、操作する変数を設置するべきイベントを間違えていて、攻略通りだと桂人が出現しないとかいう重大ミスやってたという……ほんとーにごめん!修正済みです)

そういうわけで、「呪われた校舎の巻」のシナリオは結構お気に入りです!
ユガミユメよりは陽介と司のボケとツッコミもあってノリが軽くて、怨霊や暗い事件といった重く苦しさもあり、取っつきやすいんじゃないかなと。
作者の好みはどうでもいいですけど、あえて言わせてもらいますと、
特に亡霊たちの背景が描けたこと、スクールカウンセラーと隠蔽体質の町の事件や四ツ辻真やタンネカムイ、とき、マスティマ、様々な人物の思惑が混ざり合った展開はハードボイルド調になってくれて、好みに仕上がっていますから!!!それだけでも作って良かった!
ユガミユメはラストに進むにつれ、主人公が前向きになるような展開を入れているとはいえ、全体的には暗くて、バッドエンドやモヤっとする成分多めですから、遊んでいて気持ちの良い作品かというとビミョ~なセンですからね。
(とはいえ、ユガミユメもとても愛着のある作品です!)

コラボだからこそなのでしょうか?
それならまた、何かとコラボしたいですね(笑)
素敵な作品ができると制作側も嬉しくなります♪